今回、ご紹介する漫画は、芦原妃名子先生の砂時計です。
本編8巻、番外編2巻の全10巻で完結です。
タイトルにある通り、作中では要所に砂時計が出てきます。
主人公が、母と一緒に島根県にある仁摩サンドミュージアムで一年計砂時計を見た事が、このお話の原点とも言えるでしょう。
過去から現在、そして未来へつながる、壮大な人生と恋の物語。
テレビドラマや映画化もされた事がある、感動の名作です!
砂時計ってどんな漫画?
この作品の冒頭は現在。大人になった主人公の生活が垣間見える中、二度と戻らない過去を振り返る場面から始まります。
12歳の時、両親の離婚により母親の実家がある島根に引っ越してきた主人公の少女。
田舎の慣れない暮らしの中でも、新しい出会いによって徐々に居場所を見つけていく様子が描かれています。
だけど、その居場所も決して永遠ではありません。
無理だと分かっていても、このまま時が止まってしまえばいいのに!
と思う事ってありますよね。
だけど残念ながら、この主人公も楽しかった頃のように、いつまでも少女のままではいられません。
出会いと別れを繰り返し、時には悲しみを乗り越え、
恋や友情に悩みながらも成長していくのです。
主人公が大人へ成長するまでの14年間を描いた、忘れられない青春の少女漫画です。
砂時計の感想は?読むとどうなる?
12歳だった少女が大人になるまでの過程を描いているので、ストーリーに飽きが来ません。
誰しもが持っている心の弱さが顕著に現れていて、登場人物の葛藤など、心理描写も丁寧に描かれています。
主人公もまた、強気な性格のわりに精神的に脆い部分が随所に描かれていますが、
感情移入しやすい人間らしさが魅力的。
奥が深く、とても考えさせられる作品です。
シリアスな場面も多いですが、決して暗いだけ漫画ではないので、すごく惹かれたんだと思います。
砂時計のざっくりしたあらすじ
主人公の植草杏(うえくさ あん)は、両親の離婚を機に、母親の実家がある島根に引っ越してきます。
田舎のなれなれしい雰囲気になかなか馴染めずにいた杏。
しかし、近所に住む北村大悟(きたむら だいご)や月島藤(つきしま ふじ)、藤の妹の椎香(しいか)との出会いによって、次第に自分の居場所を見つけていきます。
そんなある日、杏の母親が仕事中に倒れてしまいます。
杏は心の病を抱えていた母に「頑張れ」と言った事を後悔しますが、そんな杏に追い打ちをかけるように、生きる事に疲れた母は自ら命を絶ってしまいます。
島根へ来る途中に母と寄った仁摩サンドミュージアム。
そこで買ってもらった砂時計を母の遺影に向かって投げつける杏に、大悟はずっと一緒にいる事を約束します。
時が経ち、やがて両想いになった杏と大悟。
しかし杏が15歳の時、島根で再会した父親と一緒に東京で暮らすことになり、
杏と大悟は遠距離恋愛になってしまいます。
そして、いつも杏のどこかにいる母親の存在や、様々な想いにとらわれ、杏と大悟の間にはいつしか溝が生じてしまうのでした。
それぞれの想いが交錯する中、別々に歩き出す杏と大悟の道が、
再び一つになる日は来るのか―…。
長きにわたる恋の結末を、ぜひ見届けて下さい。
以上、ざっくりとしたあらすじでした!
砂時計のおすすめ度
おすすめ度:★★★★★
本編8巻、番外編2巻の全10巻で完結です。
杏が12歳の冬から、現在を経て未来へ進むまでの14年間に、
本当に様々な出来事が起こり、息つく暇もないほどです。
どんどん加速していく面白さなので、一気に全巻読んでしまうのも良し、ゆっくり時間をかけて楽しむのも良し。
『砂時計』の世界を、思う存分味わって下さい☆